THROAT / MOUTH
のど・口の中の疾患
監修:院長 佐々原 剛
(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医)
急性咽頭炎・扁桃炎
のどの奥(咽頭)や、のどの左右にある扁桃に、ウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気です。のどの痛みは、かぜのときによく経験します。
扁桃炎が悪化すると、扁桃の周りに膿がたまることがあります(扁桃周囲膿瘍)。口が開けにくい、つばも飲み込めないほど痛い、といった症状があるときは、早めに受診してください。
症状
- のどが痛い
- 飲み込むときに痛む
- 発熱
- 首のリンパ節がはれる
- 口が開けにくい(扁桃周囲膿瘍の場合)
治療
のどの状態を診察し、細菌の感染が疑われる場合は抗生剤を使います。多くはウイルスの感染で、その場合は抗生剤を必要としません。
痛みや熱をおさえる薬、うがい薬、ネブライザーなども使います。
扁桃周囲膿瘍で膿を出す処置や点滴、入院での治療が必要な場合は、連携病院へご紹介します。
声帯ポリープ・声帯結節
声がれは、かぜなどで咳がひどく出たときや、大声を出しすぎたときなど、声帯が炎症を起こすことによって生じます。
声帯ポリープは、声帯にできた突出物によって、声がかすれる病気です。声を使いすぎることで、声帯の一部が硬くなってしまったり(声帯結節)、水ぶくれのようになってしまったりすることも、声のかすれの原因となります。
一般的に2週間以上声のかすれが続くようなら、耳鼻咽喉科で声帯を確認したほうが良いでしょう。非常にまれですが、声のかすれの原因が喉頭がんであることもあります。
症状
- 声がかすれる
- 声が出しにくい、声が疲れやすい
- 高い声が出にくい
- のどの違和感
治療
鼻から細い喉頭ファイバースコープを入れ、声帯の状態をモニターに映して確認します。
声をなるべく使わないようにする(声の安静)ことと、炎症をおさえる薬や吸入薬で治療します。
改善しない場合は、手術が可能な連携病院へご紹介します。
口内炎・舌の病気
口内炎は、ほおの内側や歯ぐき・舌など、口の中やその周辺の粘膜に起こる炎症の総称です。
舌の病気には、見た目に異常がないのに舌がひりひり・ぴりぴり痛む「舌痛症」や、舌や歯ぐきなどにできる腫瘍(良性腫瘍、がん)などがあります。口腔がんは、初めは口内炎と区別がつきにくいことがあります。
症状
- 口の粘膜や唇・舌に、ただれ(びらん)や潰瘍ができる
- 食べ物がしみる・痛む
- 舌がひりひり・ぴりぴり痛む(舌痛症)
- 2週間以上治らない口内炎、しこり、出血
治療
ステロイド薬(軟膏)や、口内炎に直接貼るタイプの炎症止めを使用します。細菌の感染がありそうな場合は、抗菌薬を内服することもあります。
他の病気や、薬の副作用など、明らかな原因がある口内炎であれば、その原因疾患を取り除いたり、原因となっている治療をやめたりすることが治療となります。
舌痛症では、原因となる病気(カビの感染、口の乾燥など)がないかを確認し、それに応じた治療を行います。
腫瘍が疑われる場合は、組織の検査(生検)や治療が可能な病院へご紹介します。
※口内炎の予防・再発予防には、バランスの取れた食生活、質の良い睡眠、口の中を清潔に保つこと、ストレスを避ける生活が大切です。
咽喉頭異常感症(のどの違和感)
のどに何かがひっかかっている・詰まっている感じがするのに、診察で原因となる病気が見つからない状態を「咽喉頭異常感症」といいます。
原因として、胃酸がのどまで上がってくる「咽喉頭酸逆流症」、鼻水がのどに落ちる後鼻漏、甲状腺の病気、ストレスなどが考えられます。まれに、がんなどの病気が隠れていることもあるため、まずは原因となる病気がないかを確認することが大切です。
症状
- のどに何かがひっかかっている感じがする
- のどが詰まった感じ、圧迫感がある
- 飲み込みにくい感じがする(食事は通る)
- 咳払いが多い、胸やけ・げっぷ(咽喉頭酸逆流症の場合)
治療
喉頭ファイバースコープでのどの奥を確認し、原因となる病気がないかを調べます。
原因がある場合は、その治療を行います。胃酸の逆流が疑われる場合は、胃酸をおさえる薬などを使います。特に原因が見つからない場合は、漢方薬などで症状をやわらげます。
※胃酸の逆流をおさえるために、食べてすぐに横にならない、寝る前の食事を控える、などの工夫も役立ちます。
検査
喉頭ファイバースコープ(喉頭内視鏡)検査
口を開けただけでは見えない、のどの奥や声帯を観察するために使用します。細い軟性ファイバースコープを鼻から挿入し、のどの患部を直接観察することができます。