CT
耳鼻科用CTによる画像診断
監修:院長 佐々原 剛
(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医)
当院では、耳と鼻の周りを撮影する耳鼻科用のCTを院内に備えています。大きな病院へ行かなくても、受診当日に院内で撮影し、その日のうちに画像を見ながらご説明します。
- 撮影
- 受診当日に院内で
- 結果の説明
- 撮影した日に
- 被ばく
- 少ない傾向
- 撮影時間
- 約14秒
耳鼻科用CTでわかること
鼻の奥にある副鼻腔や、耳の奥(中耳)は、骨に囲まれた場所にあるため、診察室の内視鏡(ファイバースコープ)では見えない部分があります。
CTでは、こうした場所を立体的な画像で確認できます。炎症が副鼻腔のどこまで広がっているか、中耳の骨がこわされていないかなど、外から見るだけではわからない状態を調べます。
撮影の範囲が耳と鼻の周りに限られているため、被ばくが少ない傾向があり、短時間(約14秒)で撮影できます。
当院のCT装置と被ばく量について
当院では、耳鼻咽喉科向けCT「RAYSCAN m+(RCT710)」を使っています。
- CTの種類と撮影時間
- 「コーンビームCT」と呼ばれる種類のCTです。円すいの形に広がるX線を当てながら、装置が頭のまわりを回って、耳や鼻の周りをまとめて撮影します。1回の撮影時間は約14秒です。
- 画像の見え方
- 撮影した画像は、コンピューターで縦・横・輪切りなど、いろいろな向きの断面にして見ることができます。骨に囲まれた副鼻腔や中耳の様子を、向きを変えながら確認します。
- 被ばく量について
-
撮影する範囲を耳や鼻の周りにしぼり、体格に合わせてX線の強さを細かく調整するため、一般的な医科用CT(頭部)と比べて、被ばくする放射線の量が少なく抑えられます。
当院のCTの1回あたりの被ばく量(実効線量)は、成人の標準で副鼻腔が約0.18 mSv、耳が約0.42 mSvです。これは、日本で1年間に自然から受ける放射線(約2.1 mSv)の約12分の1〜5分の1、一般的な医科用CTで頭部を撮影する場合(約2.6 mSv)の約15分の1〜6分の1にあたります。
身の回りの放射線・一般的なCTとの比較(1回あたり) 内容 被ばく量(実効線量) 当院のCT:副鼻腔の撮影 体格により 約0.12〜0.21 mSv 約0.18 mSv(成人標準) 当院のCT:耳の撮影 体格により 約0.31〜0.42 mSv 約0.42 mSv(成人標準) 自然から受ける放射線(日本の平均・1年間) 約2.1 mSv 一般的な医科用CTで頭部を撮影(1回・日本での調査) 約2.6 mSv ※数値は撮影条件や体格などで変わります。mSv(ミリシーベルト)は、体が受けた放射線の影響の大きさを表す単位です。
出典:RAYSCAN m+(RCT710)メーカー技術資料、環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和7年度版)」、Tsushima Y, et al. BMC Medical Imaging(2010年)
主な対象の病気
副鼻腔炎(蓄膿症)・鼻茸
長引く鼻づまり、色のついた鼻水、においがわかりにくい、ほおや目の周りの痛みなどが続くとき。炎症の広がりや鼻茸の有無を確認し、治療の方針を決めます。
CTを撮るかどうかは、診察の結果をもとに医師が判断します。ご希望の方は、診察のときにご相談ください。
検査の流れ
-
診察
症状をうかがい、内視鏡などで診察します。CTが必要かどうかを医師が判断します。
-
撮影
院内で撮影します。メガネ・ヘアピン・ピアス・補聴器など、頭や顔の周りの金属は外していただきます。
-
結果の説明
撮影した画像を見ながら、その日のうちに結果と治療の方針をご説明します。
検査を受ける方へ
- 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方は、必ず事前にお申し出ください。
- CT検査は保険診療です。費用は、保険の負担割合によって変わります。
- 手術や入院が必要な場合は、連携病院へご紹介します。
当院の3つの専門医療