NOSE
鼻の疾患
監修:院長 佐々原 剛
(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医)
アレルギー性鼻炎・花粉症(スギ・ダニ)
花粉やダニ・ハウスダストなど(アレルゲン)に体が反応して、鼻の粘膜に炎症が起こる病気です。
スギ・ヒノキなどの花粉で決まった季節に症状が出るもの(花粉症)と、ダニ・ハウスダストなどで一年中症状が出るものがあります。
症状
- くしゃみ
- さらっとした鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ(花粉症の場合)
治療
抗アレルギー薬(飲み薬)や点鼻薬を中心に治療を行います。
希望に応じて、アレルギー検査を行うことができます。
スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎には、体質の改善を目指す舌下免疫療法(保険適用・5歳から)も行っています。詳しくは舌下免疫療法のページをご覧ください。
※当院では、レーザー治療・注射治療(ゾレアなど)は行っておりません。
急性副鼻腔炎
副鼻腔炎とは、鼻の周りにある副鼻腔と呼ばれる空洞に炎症が起きる病気です。原因は、ウイルス、細菌、真菌(カビの一種です)、アレルギー性鼻炎、虫歯などさまざまで、原因や年齢によって治療方針が異なります。
かぜのウイルス感染のあとに続く細菌感染が原因のことがほとんどです。
元々アレルギー性鼻炎をお持ちの方がかぜをひくと、急性副鼻腔炎になってしまうことがしばしばあります。
普段はほとんど症状がないアレルギー性鼻炎の方もたくさんいらっしゃいます。急性副鼻腔炎になって初めて、アレルギー性鼻炎があることに気づかれる方も多いです。
症状
- 鼻水・鼻づまり
- 頭痛、顔面痛
- ほおの圧迫感や違和感
- 鼻の中に悪臭を感じる
- においがわかりづらい(嗅覚低下)
- 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
- 鼻水がのどに落ちることによる痰や咳
※上記の症状がすべて出現するということではございません。中には、副鼻腔炎が中耳炎の原因となっていることもあります。
※最初はかぜのような症状でさらさらとした鼻水ですが、次第にどろっとした悪臭を伴う黄色や緑の鼻水に変わってきます。この鼻水がのどに落ちて、痰や咳の原因になることもあります。
※まれではありますが、副鼻腔の炎症が目や脳に進むこともありますので注意が必要です。副鼻腔炎の症状があるのに耳鼻咽喉科を受診せずに放置していると、視力が落ちたり、意識障害まで生じたりすることがあります。
治療
急性副鼻腔炎診療ガイドライン(日本鼻科学会発行)に沿って、患者さまのご希望やライフスタイルに合わせて治療を行います。
- 鼻から鼻水を吸引する処置
- ネブライザー治療(※1)
- 内服薬の処方(抗生剤や副鼻腔の粘膜を正常化する薬など)
(※1)ネブライザー治療:霧状の薬剤を鼻・口から吸入することによって患部に直接薬を当てるものです。ネブライザーを行うことにより患部に効率よく薬を作用させることができます。つまった鼻の通りを良くし、鼻水を出しやすくしたり、鼻腔粘膜のはれなどを鎮めたりします。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)・鼻茸(鼻ポリープ)
副鼻腔の炎症が3か月以上続く状態です。昔は蓄膿症と呼ばれていましたが、必ずしも膿がたまるわけではありません。
炎症が長く続くと、鼻の中に鼻茸(鼻ポリープ)と呼ばれる、きのこのような形のはれができることがあります。
気管支ぜんそくのある方に多い「好酸球性副鼻腔炎」は、鼻茸ができやすく、治療後も再発しやすいタイプです。
症状
- 鼻づまり
- どろっとした鼻水
- 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)、痰や咳
- においがわかりづらい(嗅覚低下)
- 頭が重い、ほおの痛み
治療
当院では、耳鼻科用CTで、受診当日に院内で副鼻腔の炎症の広がりや鼻茸の有無を確認できます。
治療は、少量の抗生剤を長めに飲む治療、鼻の処置・ネブライザー、点鼻薬などが中心です。
薬で十分に良くならない場合や、鼻茸が大きい場合は、内視鏡による手術が可能な連携病院へご紹介します。
※当院では、慢性副鼻腔炎に対する注射治療(デュピクセント)は行っておりません。必要な場合は、連携病院へご紹介します。
鼻出血(鼻血)
鼻血の多くは、鼻の入り口から1cmほど奥にある、細い血管が集まった場所(キーゼルバッハ部位)から出ます。
鼻をいじる・強くかむ、かぜやアレルギー性鼻炎で粘膜が荒れている、空気が乾燥している、などがきっかけになります。高血圧の方や、血をさらさらにする薬を飲んでいる方は、止まりにくいことがあります。
症状
- 鼻から血が出る
- 血がのどに流れる
- 鼻血をくり返す
治療
出血している場所を確認し、止血の処置を行います。くり返す場合は、原因となる鼻の粘膜の炎症(アレルギー性鼻炎など)の治療も行います。
ご家庭では、次のように止血してください。
- いすに座り、少し下を向く
- 小鼻(鼻のやわらかいところ)を指でつまみ、10分ほどしっかり押さえる
- のどに流れた血は、飲み込まずに吐き出す
- 上を向いたり、首の後ろをたたいたりするのは避ける
※20〜30分押さえても止まらない場合や、出血が多い場合は、医療機関を受診してください(夜間・休日は「夜間・休日の急病」をご覧ください)。
嗅覚障害(においがわからない)
においがわかりにくくなる、またはわからなくなる状態です。
原因として多いのは、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎で、においの通り道がふさがれる場合と、かぜや新型コロナなどのウイルス感染のあとに、においを感じる神経が傷つく場合です。頭を打ったあとや加齢などが原因のこともあります。
症状
- においがわかりにくい
- においがまったくしない
- 本来と違うにおいに感じる
- 食べ物の風味がわかりにくい
治療
鼻の中の診察や、CTで副鼻腔の状態を確認し、原因を調べます。
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因の場合は、その治療を行います。かぜのあとの嗅覚障害には、漢方薬などを使います。
※においがわからないと、ガス漏れや食べ物の傷みに気づきにくくなります。気になるときは早めに受診してください。